社会福祉法人ふじの園

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ふじの園 法人本部

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理事長挨拶

社会的養護の量と質について

昭和26年5月に宣言された児童憲章の冒頭に「児童は、人として尊ばれる。」、「児童は、社会の一員として重んぜられる。」、「児童は、よい環境のなかで育てられる。」とあり、「すべての児童は、心身ともに健やかに生まれ、育てられ、その生活を保障される。」と明記されています。また、児童福祉法第1条には「すべての児童は、ひとしくその生活が保障され、愛護されなければならない。」とあります。
しかしながら、現実の子ども達を取り巻く環境は、児童憲章や児童福祉法の理念に一致したものになっているだろうかと考えると残念ながら疑念を持たざるを得ません。
児童相談所に寄せられた相談件数は6万件を超え、メディアからは社会的養護を担う施設や里親の実情とは明らかに異なるドラマが放映され大きな反響を巻き起こしています。
子ども達が社会に向かって自分たちの想いを主張する機会は限られています。それ故に私たち大人は、子ども達の想いに寄り添いながら代弁していくことが肝要だと思っています。すべての子ども達がこの世に生まれてきて良かったと思えるような世の中にしたいものです。
現在、社会的養護を必要としている児童は、全国に4万人と言われています。この子どもたちに必要なことは、「大切にされている」、「愛されている」と実感できる大人の存在です。現在、国では「子ども・子育て支援法」に基づいて平成27年から平成41年までの今後15年間の子ども・子育て推進計画を策定し、子どもの養育環境を整え子育て支援を充実させようとしています。
 財政難から待機児童の解消を目的に保育所数を増やすなどの「量」を優先させ、養育を担う保育士の確保、処遇改善といった「質」を充実させる試みは後回しにされる懸念があります。子どもの成長にとって慈しみや愛情を持って接してくれる大人に出逢うことは、その子の人生に大きな影響を与えます。
 社会的養護に携わる私たちにとって、子育て支援の「量」とともに「質」についても広く社会に訴え、社会的養護の更なる充実に努めていきたいと考えております。

法人理事長 中西 秀吉

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